今回ご紹介するのはこちら!
早見和真の「スリーピング・ブッダ」です!
(あらすじ)
【序盤】
この小説の主人公は2人!
広也と隆春です。
2人とも若くして仏教の修行に打ち込む道を選ぶのですが、
仏道に入った経緯がそれぞれ異なります。
広也の場合、家がお寺でした。

隆春の家はお寺じゃなくて、元々は大学でバンドをやっていました。
ただ、バンドで上手くいかないことも時々あり、
売れるかどうか分からない音楽活動よりも、「安定した道に進みたい」と考えるようになりました。

で、普通の人は安定を求めて「大企業に入社しよう」「公務員になろう」とか考えそうなものですが、
彼の場合はなぜか「仏道に入ろう」と思い立ちました。(笑)

2人が紆余曲折を経て仏道に入るところまでが、この本の序盤です。
【中盤】
広也と隆春を含む新人のお坊さんたちは、山奥の寺で修行することになります。
短い人で1年前後、長い人で3年ほど山にこもることになります。
食事は質素ですし、最初のうちは「22時に寝て1時に起きる」という超過酷な生活リズムを強制されます。
なかなか大変です。💦

しかも、人間関係も相当キツいです。
お坊さんたちの間にも先輩・後輩といった上下関係があり、ときにはいじめのターゲットにされる人もいます。
中でも、「奥住」というぽっちゃりした同期のお坊さんはひどいいじめを受け、自殺未遂に至るほどでした……。💦
(奥住の一件はさすがに大問題になり、いじめは収まりました。
また、いじめを主導していたグループも勢いを失い、派閥争いに負けます。)
【終盤】
過酷な修行(と人間関係)を乗り越えた、広也と隆春。
「岩岡」という先輩のお坊さんを加えた3人で、廃寺を立て直すことになります。
そして、この本の中では「宗教とは何のためにあるんだろうか?」というテーマが繰り返し投げかけられます。

結局のところ明確な答えは出ないんですけど、
個人的には隆春の「宗教とは愛の代替である」って意見が結構しっくりきましたね。
友人、恋人、家族といった「人と人との繋がり」「愛」をたとえすべて失ったとしても、最後のセーフティーネットとして機能しうるのが宗教である……的なことがたぶん書いてあったと思います(うろ覚え)。
まあそんな感じで、3人とも「宗教とは何か」という問いに対して別々のアンサーを持っているわけです。
「なるほど、ここから3人が力を合わせ、ときには意見を戦わせながら立派なお寺を作っていくんだろうな!」
……と思うじゃないですか。
残念ながらそうはなりません!(笑)

まず、
①岩岡さん、若くして病死

病院でちゃんと診てもらったら延命治療とかできたかもしれないんですけど、
そういうのを一切受けず、寺で病死しました。💦
宗教的な信念があったのだと思います。
実はこの岩岡さん、【中盤】では広也と隆春を厳しく指導する立場だったんですよね。
味方サイドに付いてくれて安心したのも束の間、いきなり退場!
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②フリーターと化す隆春
岩岡さんの退場後に寺を出て、
なんやかんやで大学時代の先輩と同棲しつつ、フリーター生活を送ることになりました。
厳しい修行に耐えたのに末路がフリーターというのはちょっと残念な気もしますが、まあ本人が幸せなら良しとしましょう!
③カルト教団の教祖になった広也
一番ひどいのが広也!
寺を訪れる人に親身になっているうちに、一部の信者から祭り上げられ、
信者たちが独自のコミュニティーを作ってしまいます。

広也は「宗教とは考えることである」という考えの持ち主で、
カルト教団の教祖みたいなポジションに収まってもなお、難しいことを考え続けています。
(筆者は読みながら「お願いですから、考えるだけじゃなくて行動に移してください」と思いました。(笑))
そうしているうちに、

「これで終わりなのか……」という困惑した気持ちが半分、
自分たちなりに「宗教とは何か」という答えを出した、若き僧たちに拍手を送りたい気持ちが半分でした。
というわけで本日は「【レビュー】何とも言えない終わり方!『スリーピング・ブッダ』」でした!
以前にも早見和真さんの小説をレビューしたことがあります。↓
早見さんは青春小説・スポーツ小説を書くのが非常に巧みな方(特に「イノセント・デイズ」なんかは名作ですよね!)で、
「スリーピング・ブッダ」も青春系なんだろうな~と思って読み始めたんですけど、
蓋を開けたらびっくり、「こんな青春ありなの!?」って感じでした。(笑)
ハッピーエンドとは言い難い終わり方なので、好みが多少別れるかもしれませんね。
個人的には序盤・中盤は結構好きだったんですけど、終盤が……。💦
ただ、「宗教の存在意義は何か?」というテーマに関してはずっと一貫していて、
全くブレてなかったのは高評価できるポイントです!
宗教について考えてみたい方におすすめの一冊です。
読者の皆様もよければ一度手に取ってみて下さい!









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