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篠田節子作の「冬の光」です!
☆『冬の光』あらすじ
物語は、四国遍路の旅を終えた直後に、主人公の父が冬の海へ身を投げて亡くなったという衝撃的な出来事から始まります。
穏やかで常識的、「家族の中で最も安心できる存在」だった父が、なぜそんな最期を選んだのか――家族にはまったく心当たりがありません。
次女の碧(みどり)は、父の遺品や残された手帳、父が辿った遍路の道程を調べるうちに、
父が長年抱えていた孤独や、家族に隠していた心の傷、そしてある女性の存在を知っていきます。
父は表向きは平凡で安定した家庭を築きながらも、
「自身の人生は何だったのか」「どう生きたかったのか」という思いをずっと心にしまい込んでいました。
その内面の葛藤が、晩年になるほど強く浮かび上がり、遍路の旅がその感情をさらに揺らしていきます。
碧が父の足跡をたどればたどるほど、
父の『本当の姿』が浮かび上がり、同時に家族自身も気付かなかった自分たちの姿が照らし出されていく――
そんな静かで深い探究の物語となっています。
冬の澄んだ光の描写とともに、
「人は本当に他者を理解できるのか」というテーマが静かに流れる、心理的な作品です。
☆ストーリー構成
【第一章】お遍路編
次女の碧が、父の足跡をたどってお遍路に出発します。
この「お遍路」のシーンが、正直めっちゃ退屈です!(笑)
出来事を淡々と描写して、碧が「ふ~ん、父はここでこんなことをしてたんだなあ」と感想を抱く。
その繰り返しなので、筆者は読んでいてちょっと飽きてきました。💦
しかし、この本の真骨頂はその後から始まります!
【第二章】不倫編
実は碧の父親はとんでもない男で、バリバリに不倫していました!
お相手はやたら思想の強い女性活動家です。(本職は大学教授ですが)
※こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、いわゆる「ツイフェミ」に近いタイプの女性なのかな、と読んでいて感じました。
第二章では、かなり生々しい表現も交えつつ、父親と思想強めの女性との恋愛が描かれていきます。
第一章のほぼ倍のページ数を費やして不倫現場が激写されていくんですが、正直これがまた読み応えバツグン!(笑)
「いつ不倫がバレるんだろう?」「バレたらどうなるんだろう?」と、もうワクワクドキドキが止まりません。
第一章のときの「なんか淡々としてるな~」といった印象はどこかに行ってしまい、スリル満点のジェットコースターでした。
【第三章】震災編
不倫がバレて痛い目を見た父親は、その後、東日本大震災の被災地へボランティアに出かけます。
ただ、これは100%の善意による行動ではなく、「不倫相手だった女性が震災で亡くなったらしい」と聞いたからでした。
被災地での経験から、父は四国遍路に出発することに決めます。
【第四~六章】再び、お遍路編
【第一章】のように碧の視点がメインではなく、今度は主に父の視点で四国八十八ヶ所を巡る旅が描かれます。
ただ、愛媛県民として言わせていただくと、この「お遍路」の描写には少々問題アリだと思いました。(笑)
というのも、
・「何県の何というお寺に参拝したのか」的な情報が省略されがち
・お遍路の意義を疑問視するような、批判的な表現がところどころにある
からです。
これでは、父親が今どこにいて、どういうお寺でお参りしているのかがいまいち分かりません。
「四国遍路」をテーマにしているのに、登場人物が四国のどこにいるのかよく分からないのでは本末転倒です。(笑)
また、父親が「お遍路は形骸化した巡礼の旅である」かのような言い回しをすることがたまにあるのも気になります。
何かにつけて、お遍路に対して批判的なんですよね。
で、最後の最後でちょっとしたどんでん返しがありまして(ネタバレ防止のため、詳細は伏せますが)、それでおしまいです。
う~ん、何というか……。
すごく率直に申し上げると、作者さんの「お遍路に対する愛」みたいなものをあんまり感じない作品だったな~という印象です。
面白いことは面白いんですけど(特に不倫編が)、ぶっちゃけこの小説の題材って別に「四国遍路」じゃなくても成立するんじゃないの? とは思います。
人から勧められて読んだんですが、なんか思ったのと違いましたね。
でも、不倫編がドキドキだったのでOKです!

というわけで本日は「【レビュー】四国遍路を題材にした小説『冬の光』が微妙!」でした!
個人的には100点満点で70点くらいの面白さでしたが、お遍路に興味のある方は一読してみても良いかもしれません。












